2005.05.16

2005年5月掲載 ごみ有料化でごみ減量が実現(東京八王子市)

2005年5月掲載 ごみ有料化でごみ減量が実現(東京八王子市)

ごみ有料化でごみ減量が実現(東京八王子市)

2004年10月、東京多摩地区の八王子市、武蔵野市、稲城市がごみ有料化に踏み切りました。多摩26市町390万人の出すごみが搬入されている二ツ塚最終処分場が、今のままでは、あと10年もたずに満杯となってしまい、新たな処分場の確保は非常に困難な状況であることが直接のきっかけです。ごみ収集を有料化することにより、市民の意識を高め、ごみの減量や資源化を促すことが最大の目的です。

 

有料化が決まったあと、かけこみ処分が増えて、ごみが一時的ではあれ増えるのではないかという懸念もありましたが、各市ともに有料化後にごみが減少したことがわかりました。八王子市の場合、ごみ有料化と個別収集を実施。有料化実施前と実施後の月間収集量を比較すると、資源ごみ以外のごみが可燃・不燃ごみとも昨年に比べ4割近く減少しました。まとめでは、リサイクル対象の資源ごみ以外は、可燃ごみが約5,293トン(昨年同時期約8,807トン)と39.9%減少。不燃ごみも約1,190トン(同約2,003トン)と40.6%減少し、合計で約6,483トン(同約1万810トン)と40%の減となった。4ヶ月間の平均でも、可燃33%、不燃31%と減っています。武蔵野市でも同様に12%と66%減、稲城市でも13%減、27%減となっています。

 

プラスチックごみの扱いは各市の処理法に違いがあるため同様ではありませんが、有料化によるごみ減量という目標は達成されているようです。

2002年の廃棄物処理状況まとまる(環境省)   産廃・一廃ともに排出量減る

環境省が2002年度の廃棄物の処理状況をまとめました。これによると、産業廃棄物の総排出量は約3億9,300万t(前年度比1.8%減)、一般廃棄物も5,161万t(同1%減)と減少していることがわかりました。一般廃棄物は、東京ドーム139杯分、国民一人当たりのごみ排出量は1.111gになりました。産業廃棄物は1996年から連続で減少し、一般廃棄物は昨年から減少に転じています。

 

産業廃棄物で再生処理されているのは全体の46%にあたる1億8,200t、最終処分(埋め立て処分)されているのは全体の10%にあたる4,000万tです。気になる最終処分場の残余年数は前年度より1%増加の237万m3、残余年数は前年度より0.2年増え4.5年になりましたが、まだまだ厳しい状態といえます。

 

リサイクル率は15.9%(前年度15%)と上がりました。最終処分場の残余年数は約1億5,000万m3で前年度より約800万t減り、残余年数は13.1年分と0.6年増えました。粗大ごみ以外の生活系ごみを有料で処理している自治体は全体の73.2%、2366市町村、一般廃棄物の処理に要した経費は2兆3,956億円で国民一人当たり18,800円となり、前年度の20,500円より下がったことがわかりました。

関連URL:環境省HP

環境省がダイオキシンの蓄積状況、経年実態調査結果を発表

個人総暴露量

環境省は、人や野生生物におけるダイオキシン類の蓄積状況を知るために、経年的に蓄積に関する実態調査を行っています。2005年3月31日、03年度の調査結果が報告されました。

これによると、人間の血液中のダイオキシン濃度はこれまでと変化はありませんが、加齢によって濃度があがること、食事からのダイオキシン摂取量も例年と変化がないことがわかりました。また、継続調査地域となっている大阪府能勢町地域、埼玉県地域の対象者についても、個人差はあるものの、全体では全国レベルと変わらないことがわかりました。

 

野生生物への影響では、カワウおよびハシブトガラスにおいて血中の甲状腺ホルモン濃度の変化が見られたことから、今後、検体数を増やしてさらに調査する必要があるとしています。

これまでの調査から、環境省では個人総暴露量を推計しました。主な経路を[1]食事、[2]大気、[3]土壌に区分して推計したところ、個人総暴露量は別表のとおり減少傾向にあり、食事からの摂取量も前年度よりわずかに減少していますが、総暴露量に占める割合は9割以上と高いことがわかりました。

 

関連URL:環境省HP

ユニフォームのケミカルリサイクル  「ユニフォーム to ユニフォーム」   株式会社チクマが年間5万着

回収したペットボトルをモノマーと呼ばれる原料まで戻し、新しいペットボトルをつくる「ボトル to ボトル」の技術が注目されていますが、同様の技術を使って繊維のケミカルリサイクルが行われています。

繊維商社の株式会社チクマ(本社・大阪)は、この技術を使って2004年4月から     使用済みユニフォームのリサイクル「ユニフォーム to ユニフォーム」システムを実現しました。これは、同社が帝人ファイバー株式会社松山営業所に委託しているもので、ポリエステル繊維80%以上(製品重量比)のユニフォーム年間5万枚(2004年実績)がこの方法でリサイクルされています。ユニフォームを高純度のポリエステル原料(DMT:テレフタル酸ジメチル)に戻すというものです。

 

ユニフォームはマテリアルリサイクルも進んでおり、同社は回収後、リサイクル業者を通じて自動車の断熱材、防音材、内装材などに再生しています。

また同社は、2004年4月23日に、「ポリエステル繊維80%以上のユニフォーム」で、「広域認定制度」の認定を、繊維業界第一号として受けました。この制度は、環境省の認定を受けることにより、個別に都道府県知事等の許可を取得することなく産業廃棄物処理業務が行えるなど、リサイクルを効率的にすすめることができるものです。同社は、同年12月7日には「合成繊維又は合成樹脂を含むユニフォーム」まで拡大し追加認定を得ています。

チクマのリサイクルシステム

図1チクマのリサイクルシステム

帝人ファイバーの加工図

図2帝人ファイバーの「繊維 to 繊維」技術とは

関連URL:株式会社チクマ

青果物用プラスチックコンテナごみが出ないと人気

朝のフルーツコーナー

店舗でそのまま陳列できる

朝採り野菜

水に強いので、朝採り野菜、露地野菜にも便利

イフコ・ジャパン(株)は、青果物の流通用に、プラスチックコンテナをレンタルしています。これまでほとんどがダンボールだった青果物用コンテナですが、プラスチック製は水に強い、小売店でそのまま売り場に商品を並べられる、ごみが出ないなどさまざまなメリットがあります。ダンボールと比べ、組み立て時間が80秒/1ケースから4秒へと大幅に短縮でき、使用後も簡単にたためます。

 

同社によると、100回以上はリユースでき、100%リサイクルも可能。破損したコンテナはすべて提携リサイクル会社でコンテナにリサイクルしているとこのことです。

 

レンタルシステムは、生産者からレンタル料(回収量と届け費用を含む)100円と保証金250円(どちらも1個あたりの費用)を受け取り、市場や小売業者に生産物を届け、使い終わったら回収時に保証金を返すというしくみ。現在、コンテナは生産者団体、卸売市場、小売業者が利用しており、平成17年度は16年度より1000万ケース多い5000万ケースのレンタルを行う予定です。

 

実際に同社のコンテナを使用しているのがJA嬬恋村。同村は2,720haのキャベツを栽培する国内最大のキャベツ産地です。試験的に実施した結果、ダンボールの組み立てや封函作業が不要になる、霧や降雨があっても収穫作業ができる、予冷がよく効くので鮮度や品質保持が良いなどのメリットが評価されました。平成15年産の夏秋キャベツから要望のある市場や量販店向けに導入し、年間50~60万ケース使用しています。販売課の松本氏は、「導入のいちばんのねらいは、ごみ削減など、環境です。まだ、ダンボールと両方使っていますが、使っている生産者の評判はよいようです」と話しています。

 

関連URL:イフコ・ジャパンHP

内分泌かく乱化学物質、これまでの取り組みと今後の対応まとめる(環境省)

環境省では、1998 年以来、いわゆる環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)について、さまざまな研究や実態調査を行っています。第5回「環境ホルモン戦略計画 SPEED‘98」改訂ワーキンググループ会議(平成16年6月15日)の資料には、ほ乳類への影響を見るために、ラットを使った1世代試験*が確立され、実際の試験結果が公表されています。それによりますとこれまで、魚類の場合と同様に19物質(DEHPなど塩ビの数種の可塑剤も含む)について環境中濃度を考慮した濃度レベルで試験を実施したところ、いずれの場合もラットの1世代試験で見る限り明らかな内部分泌撹乱作用は確認されていません。また、国際的にも世界保健機関(WHO)/国際労働機関(ILO)/国際連合環境計画(UNEP)が「内分泌かく乱化学物質の科学的現状に関する全地球規模での評価」をとりまとめ、経済協力開発機構(OECD)では内分泌かく乱物質の試験法開発を進めるなど、科学的な研究が進められています。

 

これらをふまえ、2003年に内分泌かく乱化学物質について、「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」と定義する政府見解がまとめられ、以後2 年間にわたり専門家、学識経験者、消費者団体代表等を構成メンバーとするワーキンググループを設置するなどして今後の対応を検討。このほど、結果がまとめられました。これによると、基本的な柱として、(1)野生生物の観察、(2)環境中濃度の実態把握及び暴露の測定、(3)基盤的研究の推進、(4)影響評価、(5)リスク評価、(6)リスク管理、(7)情報提供とリスクコミュニケーション等の推進を行うことが明らかになりました。

 

(7)については、「生態系への内分泌かく乱作用については、不明確なことが多い中、漠たる不安を招かないためにも、広く、正確な情報を提供し、情報の共有と正確な理解の上に成り立つリスクコミュニケーションを推進することが重要である」としています。

 

1世代試験*:雌に妊娠から授乳終了までの間、試験物質を与えて母親とその子供にどのような変化が起きるかを観察するものです。

関連URL:環境省HP

日本容器包装リサイクル協会   2005年度より落札価格および落札事業者名を公表

財団法人日本容器包装リサイクル協会は、2005年度から、落札結果をホームページで公表することを決定し、4月20日、今年度分の落札結果を公表しました。ここには、市町村の保管施設ごと、品目ごとに落札した事業者と単価、量などの内容を掲載しています。

容器包装リサイクル法の見直しが議論される中での公表は、同法の運用についても、より透明性が確保されることになり、関連業界にも市民にも歓迎されています。

 

関連URL:日本容器包装リサイクル協会