2010.02.16

2010年2月の掲載 西川産業と帝人ファイバーが共同で寝具リサイクル事業を開始 アレルギー低減商品で

2010年2月の掲載 西川産業と帝人ファイバーが共同で寝具リサイクル事業を開始 アレルギー低減商品で

西川産業と帝人ファイバーが共同で寝具リサイクル事業を開始 アレルギー低減商品で

セーフティガードナノ

スーパー セーフティーガードナノ

敷布団

西川産業株式会社と帝人ファイバー株式会社は、2009年11月から、共同で寝具リサイクルプログラムを開始しました。リサイクル対象となっている商品は、アレルギーリスクの低減を目指して開発した防ダニ寝具新シリーズ「スーパー セーフティーガードナノ」です。

「スーパー セーフティーガードナノ」自体も、リサイクル素材を使用した商品です。中綿には帝人ファイバーがPETボトルのマテリアルリサイクルにより開発した「エコペット」製の防ダニ綿が使用されており、「エコペット」は使用後にはリサイクルが可能です。

 

ふとん側地やカバーには、断面積が髪の毛の7500分の1である「ナノフロント」が使用され、ダニを遮断するとともに柔らかい風合いがあります。これらの素材により、同製品はアレルギーリスクを低減することから、日本アトピー協会の推奨品となっています。

 

リサイクルプログラムは次のような工程になっています。

(1) 使用後に不要となった「スーパー セーフティーガードナノ」シリーズの商品は、一部を除き、西川産業(または許可を得た事業者)が回収する
(2) 回収された使用済み商品は、循環型リサイクルシステム「エコサークル」(注)により帝人ファイバー松山事業所(愛媛県松山市)に輸送される
(3) 輸送された使用済み商品は、同事業所内の「繊維to繊維」リサイクル工場でポリエステル原料に戻して回収し、それを原料として新たなポリエステル繊維を再生する

※注「エコサークル」について
帝人ファイバーが世界で初めて開発したポリエステルのケミカルリサイクル技術を核とした循環型リサイクルシステム。賛同する130社以上の国内外アパレルメーカーやスポーツメーカーと共同で、商品の開発、およびその回収・リサイクルを進めている。化学的に分子レベルまで分解し、石油から作るものと同じ品質の製品に再生できるため、従来のリサイクルの課題であった品質劣化を回避でき、また、何度でも繰り返しリサイクルできるため、石油資源の使用を抑え、廃棄物を削減することができる。石油からポリエステル原料を作る場合に比べると、エネルギー消費量、二酸化炭素排出量ともに約80%削減することができる。

西川産業株式会社 http://www.nishikawasangyo.co.jp/
帝人株式会社 http://www.teijin.co.jp/

フィスバが100%PETリサイクルの「ビニューペット」を発表 100%コットンリサイクルも同時開発

ソファとカーテン

スイスのインテリアファブリック会社、クリスチャン・フィッシュバッハの製品は、日本でも「フィスバ」ブランドとして人気ですが、このほど、100%リサイクル生地を使用した「ビニュー」コレクションの発売を発表しました。

“ビニュー(Benu)”とは、ギリシャ神話に登場するフェニックス(不死鳥)の名で、万物が輪廻を繰返す“リサイクル”を表現しています。6世代に渡り継承されてきた歴史ある企業として、世界の有名ブランドに先駆け、環境保護への貢献にとりくむことになったそうです。

 

開発された生地Benu PET(ビニューペット)は、使用済みのペットボトルをマテリアルリサイクルしたもので、ナノテクノロジーが駆使され、繊維自体が水分を弾き、汚れにくいという性能があります。1メートルのファブリック(クッション2点相当)には、500mlのペットボトル17本以上が使用されています。また、必要最小限の水とエネルギーを使用するなど、製造工程にも環境配慮がなされているそうです。

 

同時に開発されたBenu Yarn(ビニューヤーン)は、100%コットンリサイクル生地で、こちらもゴミの量を削減すると同時に、1トンあたりの製造で233.8 kgのCO2排出抑制、513 kW/hのエネルギー消費抑制、4,817リットルの水の節約などの効果があります。

製品は、日本フィスバのショールーム(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌)で見ることができます。

 

詳細 日本フィスバ(株) TEL 03-3343-2032 http://www.fisba.co.jp/

PETボトル回収率77.9%で、依然として世界最高水準 PETボトルリサイクル推進協議会が2009年度年次報告

PETボトル回収率の表

PETボトルの回収率の推移

PETボトル回収率の表

日米欧のPETボトルリサイクル状況比較

PETボトルリサイクル推進協議会が09年11月に発表した2009年度版年次報告書によると、PETボトルの回収率は77.9%で、前年度と比べ7.9ポイント増となりました。

 

日本の回収率は、欧州の回収率46.0%(2008年)、米国の回収率24.6%(2007年)と比較しても依然として高いだけでなく、業界として策定した自主行動計画目標を2年も早く達成したことになります。これには事業系の回収量が前年度比43%増となり、回収量全体が増えたことが大きく影響しています。PETボトルの軽量化も進み、対象の15容器のうち14容器で軽量化が実施されました。

 

また、今回の報告書には、2008年10月以降の世界同時不況の影響で、一時期はバージン樹脂価格が暴落し、中国等のリサイクル市場は大混乱したようすも反映されています。市町村での収集量28万4,000tのうち、独自処理量が1万3,000t減り、13万tになり、指定法人ルートへの引き渡し量が10%増となりました。こうしたことを背景に、国内のリサイクル業者の経営環境は今後、改善されるとみられています。

 

PETボトルリサイクル推進協議会 http://www.petbottle-rec.gr.jp/top.html

名古屋市の容器包装以外のプラスチック処理 2011年度から「可燃ごみとして収集し、熱回収」の方向で

名古屋市は市民・学識経験者で構成する「容器包装以外のプラスチック処理検討委員会」の報告を受け、現在不燃ごみとしている「容器包装以外のプラスチック製品」について、2008年11月に、容器包装リサイクルルートを活用した資源化ができるよう、国に対し「構造改革特区」の提案を行いました。

 

国は2009年2月に、特区提案は認められないが、「(財)日本容器包装リサイクル協会と交渉いただいて差し支えない」と回答。それを受け、協会と交渉を続けてきましたが、同年11月、協会から「容器包装に係わる受託業務以外の業務については対応できない」旨、回答が出されました。

 

名古屋市は、検討委員会から次善の策として「焼却による熱回収」という報告も受けています。同市は、引き続き国に対して資源化に向けた法整備を働きかけながら、2011年4月から、容器包装以外のプラスチック製品を「可燃ごみ」として収集し熱回収を行う予定です。(区分変更図参照)

 

一方、名古屋市が協力して2009年に株式会社未来樹脂が始めた容器包装以外の廃プラスチック処理に関する実証実験(名古屋市 http://www.city.nagoya.jp/

変更区分の内容

容器包装以外のプラスチック製品
※ボールペンなど、複合製品でプラスチックが大半のものも含む。

様々なプラスチック製品の絵

現行: 不燃ゴミ

変更後: 可燃ゴミ

金属製品
※鍋など、複合製品で金属が大半のものも含む

様々な金属製品の絵

現行: 不燃ゴミ

変更後: 不燃ゴミ

小型家電製品
(30cm角以下のもの)

小型家電製品の絵

現行: 不燃ゴミ

変更後: 不燃ゴミ

2007年度の一般廃棄物、ごみ総量は減少、再生利用は増加 環境省が発表

ゴミ総排出量の表

環境省は09年9月14日、2007年度の一般廃棄物の排出・処理状況を発表しました。それによると、以下のようなことがわかります。

  • 全国の一般廃棄物の総排出量は、5,082 万tで前年度より2.3 % 減、1人1 日当たりのごみ排出量も1,089gで前年度より2.4 %減となりました。また、ごみ処理の状況を見ると、再生利用量・リサイクル率は着実に増加し、最終処分量は前年比6.8%減少となりました。
  • 最終処分場の残余容量は2000年以降減少し続け、最終処分場の数も減少していることから、残余年数も15.5年と前年より0.1年減)っており、厳しい状態です。
  • ごみ焼却施設における熱回収は、総発電量1,604MWで前年度より0.8%増でしたが、発電設備を有する施設は全体の23%しかないため、少なくとも10%以上の高効率発電施設に切り替えなければ、政府が目標とする2012年度の2,500MWを達成することは難しくなっています。
  • 再生利用では、市区町村による資源化と住民団体等による集団回収を合わせた総資源化量は1,030t、リサイクル率は20.3%で、着実に上昇しています。
  • ごみ収集手数料の一部または全部を有料化する自治体は、生活系ごみ、事業所系ごみとも増えており、生活系ごみを有料化する自治体は全国1816自治体のうち、75.9%(前年度73.7%)、事業系ごみでは1528自治体のうち84.1%(前年度80.4%)となっています。粗大ごみを除くと、生活系ごみの有料化を実施している自治体は58.9%、事業系ごみでは83.8%となっています。

環境省HP http://www.env.go.jp/

容器包装の3R、前年度を上回る実績 3R推進団体連絡会が08年度実績を報告

リデュースに関する表

リデュースに関する2008年度実績

リサイクルに関する表

リサイクル率・回収率に関する2008年度実績

・08年度実績報告書から

8つの事業者団体が連携して、容器包装の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を進めている「3R推進団体連絡会」は、2010年度を目標に「自主行動計画」を策定していますが、09年12月、08年度の実績を発表しました。

 

報告書によると、多くの容器で着実にリユースを実現しているほか、容器包装のリサイクルも着実に進んでいることがわかりました。

なかでもスチール缶の軽量化率、ペットボトルの回収率、スチール缶のリサイクル率、段ボールの回収率は、目標を前倒しで達成する好成積となりました。

 

また、多くの項目で07年度実績を上回り、3Rは着実に進んでいることがわか一方、景気変動の影響を受けて、紙製容器包装の回収率、ガラス瓶やアルミ缶のリサイクル率は景気変動の影響もあり、低下しました。連絡会では、消費者や自治体との連携・協力を一層進めて、目標達成に向けた取り組みに力を入れるということです。

・消費者調査から

3R推進団体連絡会は、これに先立ち、容器包装3Rに関する消費者調査を行い、ごみ出しへのかかわりが容器包装の3Rに大きな影響を及ぼしていることなど、興味深い実態を明らかにしました。

調査は全国の15歳以上の一般消費者を対象に、2009年7月7日~7月9日にインターネットリサーチで行われたもので、3000名から有効回答を得ました。

 

居住自治体でのごみの分別方法を「きちんと理解している」人は6割で、「なんとなく知っている」と合わせるとほとんどの人が認知しており、分別の実行度は、「いつもきちんと守っている」が7割以上でした。ごみ出しへの関与別にみると、自分自身で「ごみ出し」を行っている人の方が、分別方法を「きちんと理解」し、「いつもきちんと守っている」が多く、逆に、自分でごみ出しを行っていない家族任せの人は、3割が「たまに守らないことがある」と回答しています。

 

また、「容器包装リサイクル法」制定の目的および同法で定義された役割分担について現状の役割分担が適切かどうか訊ねたところ、「適切だと思う」が9割を占めました。

 

一方、容器包装の分別・収集および再資源化の費用をそれぞれ誰が負担すべきか訊ねたところ、全体意見としては、収集・運搬は「自治体」、再資源化は「事業者」と、現在容リ法で定義されている役割分担と同じスキームを維持する声が多かったものの、環境問題への意識が高い層では「消費者が排出する量に応じて負担すべき」が高いという結果がでました。(図1~5、図11)

3R推進団体連絡会 http://www.3r-suishin.jp/

■問い合わせは各加盟団体へ
ガラスびんリサイクル促進協議会:http://www.glass-recycle-as.gr.jp
PETボトルリサイクル推進協議会:http://www.petbottle-rec.gr.jp
紙製容器包装リサイクル推進協議会:http://www.kami-suisinkyo.org
プラスチック容器包装リサイクル推進協議会:http://www.pprc.gr.jp
スチール缶リサイクル協会:http://www.steelcan.jp
アルミ缶リサイクル協会:http://www.alumi-can.or.jp
飲料用紙容器リサイクル協議会:http://www.yokankyo.jp/InKami/
段ボールリサイクル協議会:http://www.danrikyo.jp