2010.04.16

2010年4月の掲載 奈良時代も、ごみは減容処分? 平城宮の発掘調査でごみ焼却場跡発見される

2010年4月の掲載 奈良時代も、ごみは減容処分? 平城宮の発掘調査でごみ焼却場跡発見される

奈良時代も、ごみは減容処分?  平城宮の発掘調査でごみ焼却場跡発見される

木簡

奈良市の平城宮跡で確認されたごみ捨て穴の遺構で、ごみを焼却した跡が初めて見つかりました。調査した奈良文化財研究所によると、これまで、込み捨て穴は多数見つかり、ごみは焼かずにそのまま埋められたと考えられていましたが、焼却されていたことがうかがえる発見は初めてということです。

このごみ捨て穴は役所が立ち並んでいた「東方官が地区」の08~09年の調査で見つかったもので、東西約11メートル、南北約7メートル、深さ最大約1メートルと宮内最大級です。

穴の中には、宮城を守った軍隊組織「衛府(えふ)」などに関する大量の木簡や木くず、桧扇(ひおうぎ)なども廃棄されていました。

調査では、穴には炭を含む土の層があり、何回かに分けてごみを焼却したとみられることがわかりました。焼却の目的は、ごみの量を減らすか、生ごみの腐敗を防ぐためという説も考えられますが、現在のところ、わかっていません。

アルミ缶の製造にCO2削減の努力重ねる東洋製罐  キリンビールのエコ缶などで使用される

缶
缶

最近、コマーシャルで「エコ缶」という言葉を耳にしたことはありませんか? キリンビールは、アルミ缶の製造工程でCO2を大幅削減したものを使用していることから、従来製品と区別して、新しい缶を「エコ缶」と呼んでいます。そして、そのCO2大幅削減に寄与しているのが、プラスチックを使用する際の新技術です。

アルミ缶でプラスチック使用?と疑問に思う方も多いかもしれません。じつは、飲料容器では紙パックや缶にもプラスチックが使用されているのです。紙パックやアルミ缶、スチール缶は、内容物(飲料)に影響を与えないよう、内面にプラスチック加工が施されています。缶の場合は外面もプラスチック加工され、強度を強めたり、パッケージデザインの際のインクをきれいに印刷できるようにしています。

 

では、「エコ缶」はどこがエコなのでしょう。「エコ缶」の製造元、東洋製罐株式会社にその効果についてお話を聞きました。

東洋製罐マーケティング部のお話

「エコ缶」は、当社ではタルクシリーズ(TULC:Toyo Ultimate Can)として分類し、スチール製のものをTULC、アルミ製のものをaTULCと名付けています。TULCが開発されたのは1991年です。

 

従来、アルミ缶は缶を成形する際シート状のアルミ板材をカップ状に成型し、これに潤滑油をかけながら胴部を引き延ばして成形する方法をとっています。成形後に水で潤滑油を洗い流した後、アルミが内容物に直接接しないようにするため、内面に塗料をコーティングするため、コーティング後は缶内面を乾燥させる必要がありました。

 

TULCの場合は、あらかじめ内外面をポリエステルフィルムでラミネート加工した板材をカップ状にしたものをそのまま引き伸ばして成形します。これはラミネートしたポリエステルフィルムが潤滑油の役割を果たす事によるものです。また、成形後もフィルムが均一に伸ばされているため内面の塗料コーティングも必要ありません。

そのため、缶内面の乾燥の必要が無く、ここで使用するエネルギーが不要となり、CO2の排出を抑える事が出来るのです。

 

従来缶では350ml缶一つ作るのに150mlの洗浄水を使いましたが、この水も不要になりました。さらに、潤滑油とその洗浄水を処理したときに発生する固形廃棄物もほぼゼロになりました。

TULC、aTULCは環境負荷を軽減できるということで、すでに国内金属缶生産数の約2割にあたる70億缶に使用されています。ビール各社のアルコール缶や、コーヒー缶等に広く採用されています。

スチールのTULCはインクの色が引き立つよう外側に白いラミネート加工を施しているため、底を見て頂いて白ければTULCだとわかります。当社ではこれからも環境重視の製品開発の努力を重ねてまいります。

セメント生産の減少で セメント業界の廃棄物・副産物受け入れにさまざまな影響

土木・建築工事に欠かせないセメントは、製造の際に、多くの産業から排出される産業廃棄物や副産物、自治体より排出される一般廃棄物を、原料、エネルギー源、混合材として有効利用しています。

そのためセメント産業は循環型社会をめざす現代日本の優等生的存在の業界と言われてきました。

セメント1tを製造するためにそのうち488kgは廃棄物や副産物を受け入れ、わが国全体で1年間に排出される廃棄物の約7%に当たる3000万tがセメント業界により資源循環・再資源ルートに載せられています。

これだけ多くの廃棄物や副産物を受け入れているにも係わらず、日本のセメント会社は技術開発と設備投資により、高い品質のセメントを安定して製造する技術を持っているのです。

また、セメント工場が受入れた廃棄物や副産物はすべてセメント原料として利用することができるため、廃棄物をいっさい排出しないという他の産業にはない際立った特長を備えており、その重要性ははかり知れません。

 

ところが、1996年をピークに公共事業の削減などにより生産量が減っていたセメント業界に追い打ちをかけるように、建築基準法の改正、リーマンショックによる世界同時不況、「コンクリートから人へ」という政策転換による公共投資見直しなどの動きがあり、現在、業界全体が非常に厳しい状況におかれています。

セメント生産量が減ると他産業からの廃棄物や副産物の受け入れにもさまざまな影響が出てきます。

特にセメントの原料として有効活用出来る廃棄物や副産物については、セメント生産が減ればそれに応じて受け入れ量も減らさざるを得なくなることも出てくる可能性があり、わが国全体の資源循環に大きな支障をきたしかねません。

例えば、私達の日常生活に欠かせない電気は発電所で作られていますが、全国各地にある火力発電所で発生する石炭灰の半分以上はセメント工場で原料として有効に活用されているのです。

 

また、これまでセメント工場で原料・熱エネルギーとしてリサイクルされていた廃タイヤは、他の業界でも利用が進んでいるため、入手困難になるなど、廃棄物や副産物の受け入れにも変化が表れています。

廃タイヤ以外でも、この10年で受け入れ量が大幅に伸びてきた廃プラスチックや木くずでも良質の廃棄物入手が困難になっています。

制度面の制約では容器包装リサイクル法の壁があり、一般廃棄物として排出される廃プラはセメント業界ではマテリアルリサイクルで処理仕切れない場合に限っての非常手段でしかリサイクルできないという問題もあります。

 

こうした現状について、セメント協会は「セメント産業で再利用する廃棄物や副産物は、単純焼却ではなく有効活用(熱回収並びに原料リサイクル)されており、わが国全体としての環境負荷の低減に貢献しているということを業界としてもPRしています。現在、セメント業界が抱えている問題は、みなさんの日常生活の維持にもかかわる問題であるということを理解していただきたいと思います」(生産・環境部門統括リーダー・細谷俊夫さん)と話しています。

エコ・リーグ(全国青年環境連盟)

日本のマップ

参加大学マップ

授賞式

表彰式

持続可能な社会の創造を目指し、地球規模から地域までの環境問題の解決に取り組む青年のネットワーク、エコ・リーグ(全国青年環境連盟)は、大学の環境対策を促進するため、各大学の温室効果ガス削減の取り組みの現状を調査し、2009年度のエコ大学ランキングを作成しました。

エコ・リーグは1994年8月に結成された環境NGO(任意団体)で、現在、会員数は約250名、全国4地域に事業部を置き、さまざまなイベントに取り組んだり、ギャザリングと呼ばれる活動報告や交流の場を各地で開いたりしています。

 

2009年度の第1回エコ大学ランキングは、Campus Climate Challengeというエコ・リーグのプロジェクトの一環として行われ、大学の気候変動への取り組みを活性化することなどを目的に、全国107大学について大学生が共通の調査表と採点基準を用いて調査・採点したものです。その結果、国公立大学では岩手大学が、私立大学ではフェリス女学院大学が一位に選ばれました。

調査項目は「二酸化炭素排出量・エネルギー使用量削減」「地球温暖化対策の実施」「学生への教育・啓発」の3つに大別され、全体を通して省エネ対策を中心とした地球温暖化対策の実施は全体として得点が高かったものの、二酸化炭素排出量・エネルギー使用量削減部門や、学生への教育・啓発部門にとりくんでいる大学は少ないことがわかりました。

 

国公立大学で一位となった岩手大学は、学生参加型の環境マネジメントシステムを実施し、2008年までの5年間で、6.5%のCO2排出削減を達成したことなどが高得点につながりました。私立大学一位のフェリス女学院大学は、風力発電や各種の再生エネルギー、省エネ設備、ビオトープなどの導入、学生団体「エコキャンパス研究会」が参画する地域住民向けの環境講座の開催、温暖化による海面上昇の被害を受ける太平洋のツバル、キリバス共和国への支援など多彩な活動が高得点につながりました。

調査結果を各大学にフィードバックし、大学側の取り組みを強化することも今回の取り組みのねらいで、今後のエコ・リーグの活動には各マスコミも注目しています。

 

エコ・リーグ
Campus Climate Challenge
(エコ大学ランキング報告書をダウンロードすることができます)

NTTドコモが携帯電話の自己循環型リサイクル実現に向け プラスチックの油化処理の実証実験を行う

携帯電話機などの小型家電は、金や希少金属(レアメタル)を多く含むことから、「都市鉱山」と呼ばれるほど貴重な資源となっています。

そんな中で、NTTドコモは携帯電話への再利用を可能とする「自己循環型リサイクル」の実現を目指して、2010年1月21日から3月31日まで、実証実験を行いました。このなかで、外側の箱部分に使用されるプラスチックは油化処理の実験が行われました。

 

この実験では、携帯電話を分別・解体し、液晶などの再利用可能な部品、油化処理し精製される油、および、銅・貴金属・レアメタルを含有する端末部材と油化処理後の残渣から精錬される金銀滓について、品質解析や回収効率などの検証が行われ、現在分析中です。

なお、これらの実証実験は、油化処理については日本環境設計株式会社(本社・東京)、金銀滓の製錬処理については三菱マテリアル株式会社(本社・東京)の協力のもと、下記の場所で実施されました。

実施場所 :
油化処理(愛媛県今治市、群馬県高崎市)
金銀滓の製錬処理(香川県香川郡直島町)
携帯端末の分別・解体処理(神奈川県川崎市)

(出典:NTTドコモ、報道発表資料)