台湾リサイクルレポート 第1号 2012年11月掲載
なぜこんなに違うの?!
〜台湾と日本のごみ処理・リサイクル方法の比較〜

台湾のごみ出し

みなさん、はじめまして。私は林佳衡(リン ジャーヘン)と申します。

普段は「ジャーヘン」と呼んでもらっていますので、みなさんもそう呼んでくださいね。(写真の私の隣にいるのが母です。)

現在は台北市郊外の新北市に家族と一緒に住んでいますが実は私、今年の3月まで日本に留学していたんですよ!

台湾に帰国して間もない晩、夕食を終えて一休みしている私にお母さんが慌ててこう言いました。

母 :
「大変もうこんな時間!ジャーヘン、ごみ収集車が来ちゃうから、ごみ出しのお伝いをしてちょうだい。」

私の住む台湾新北市では、一般ごみ・資源ごみは夕方から夜にかけて収集されます。水曜日と日曜日を除く週5日、収集車は「乙女の祈り」や「エリーゼのために」のメロディと共に、決まったルートで決まった時間にやって来ます。  

現在時刻は夜8時。後10分で収集車が到着します。私は夕食時のお皿の食べ残しを急いでキッチンシンクに置いてある袋の中に入れます。調理で切り取られた野菜屑は食べ残しとは別の袋に集めておきます。台湾では生ごみ類を一般ごみと分別収集して、残飯等は家畜用飼料に、野菜屑等は堆肥に利用しているのです。お皿の片づけは後回し。次に私が昼間飲んだジュースのペットボトルを洗って水を切ります。

シンクに置かれた生ごみ類

ジャーヘン:
「ペットボトルはどうするの?」

母 :
「資源ごみは冷蔵庫の横の袋に入れて。」

ジャーヘン:
「箱にシャンプーの空容器が入っているけど分別しなくていいの?」

母 :
「私達はリサイクルマークのついているものをまとめて出せばいいだけ。資源ごみは収集されてから細かく分類されているのよ。」

リサイクルマークのついたプラスチック製ボトル容器 資源ごみをまとめている袋

ジャーヘン:
「このレトルトパックは汚れているけどどうすればいいの?これ、プラスチック製の袋 だけどリサイクルされるの?」

母 :
「プラスチックでもボトル容器以外のものは一般ごみとして処理されるから、有料ごみ袋の中に入れてちょうだい。新北市では一般ごみを処理してもらうには有料ごみ袋に入れて出さなきゃダメなのよ。そうそう、有料ごみ袋がもうすぐなくなりそうだから、明日買っておいてくれる?」

ジャーヘン:
「わかったぁ、明日買いにいくね。あっ!収集車が来たみたいだよ。」


夜8時10分、「乙女の祈り」のメロディーが聞こえてきました。自宅近くのごみ収集場所に収集車2台が到着しました。母は生ごみ類、私は一般ごみと資源ごみを持って収集車へと急ぎます。私は一般ごみの入った袋を1台目の黄色の収集車 に勢いよく投げ入れます。隣で母が車の後部にあるバケツに、自宅で飼料用と堆肥用に分けておいた生ごみ類を直接投入しています。資源ごみは2台目のコンテナ車が収集します。資源ごみを職員に手渡ししてコンテナ車の中へ入れてもらいます。


ごみ収集車1台目 ごみ収集車2台目

私達と同じように急いでごみ出しを済ませた隣の奥さんに母が呼び止められました。何だか長くなりそうなので私は先に家に戻ることにします。

お母さんと隣の奥さんの話はいつも長いから・・・。

日本と比べてみると・・・

日本に留学していた一年半は東京都新宿区に住んでいました。それまでは台湾で家族と一緒に暮らしていました。食事の支度、掃除、洗濯などの家事は主に母がやってくれていたので、家事にあまり関わらずに生活していました。日本留学のための勉強も忙しかったし、母の手伝いは気が向いたらやる程度でした。

留学中は新宿の寮でロシア出身のルームメイトと一緒に暮らしていましたが、家族と離れた寮生活では家事の全てを自分でやらなければなりません。

台湾ではごみ出しをしたことがなかったので、出し方なんてわからないのに、新宿区のルールに従ってごみを自分で処理しなければなりません。家族と離れて暮らしてみて、家族(特に母親)のありがたみが身に染みました。

「お母さん、ありがとう!」


新宿区のごみ収集の様子
新宿区:
http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/seiso01_001026.html

●ごみ出し時間

新宿の寮では朝の決められた時間までにごみ置き場にごみを出していました。週2日の燃やすごみの収集日 には、朝出したごみが収集されるまでにカラスに食い散らかされることがありました。道路が汚れたり、嫌な臭いがして不快になったこともありました。

寮の近くでカラスよけのネットをみかけたことがありますが、寮のごみ置き場では使われていませんでした。カラスがごみを食い散らかす現場に出くわしても、私は怖くてカラスを追い払うことができませんでした。新宿区ではリサイクルしない可燃ごみを燃やすごみとして収集しています。

台湾のように生ごみ類を飼料や堆肥として利用していません。

台湾では事前にごみを出しておくことは禁止されています。「乙女の祈り」や「エリーゼのために」のメロディーと共に収集車がやって来て、その場でごみを回収してくれるので道路にごみが散らかったりしません。だからカラスもごみを食い散らかしたりしません。


新宿区のごみ収集カレンダー
新宿のごみの出し方・分別表
新宿区:
http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file09_02_00001.html

●リサイクル

新宿区では資源ごみを細かく分別するルールがあり、正直言うと「面倒だなぁ」と感じる時もありました。リサイクルはびん、缶、ペットボトル、紙類などに分別します。週1日の収集日の朝、収集用のボックス等 がごみ置き場に設置されるので、資源ごみを種類ごとに分けて決められた時間までに入れておきます。

私が一番多くリサイクル処理したのは、ペットボトルだったと思います。紙類はあまり溜まらなかったので、リサイクル処理はしていませんでした。

寮に入る時大家(寮母)さんからごみ分別をきちんとするように言われていましたが、紙類はそっと燃やすごみとして出していました。量は少なくてもちゃんと分別すればよかったなぁと反省してます。


台湾では資源ごみを細かく分けなくてもいいのに、どうして日本では分別しなくてはならないのかな? 台湾のように収集後に細かく分けてリサイクルしてくれるわけにはいかないのかな?台湾と日本では収集 やリサイクルの仕組みが違うからなんでしょうね。やる方は分別しない方が楽だけど・・・。


ロシア人のルームメイトはと言えば、新宿区のごみ処理ルールをあまり積極的に守ろうとしていませんでした。何でもロシアではごみの分別はないんだとか!彼女はごみを分別することなく、全部一緒に出してしまう時もあったようです。これにはちょっと驚きました。でもロシアにごみ分別がないって本当なのでしょうか?ごみの分別が一切ないことはないにしても、新宿区のルールより簡単な分別ルールなのかもしれません。ロシア、台湾、日本と各国でごみ処理ルールは違うんでしょうね。


●一般ごみの袋

私は留学時の燃やすごみ(一般ごみ)の処理に、スーパーのレジ袋を使っていました。スーパーやコンビニでごみ処理袋を売っていましたが、新宿区ではそれ以外にレジ袋等の中身が見えるポリ袋でごみ出しできるルールでした。

寮の他の人達もごみ処理用袋はあまり使っていなかったようです。週2日の収集日に出す燃やすごみの量はあまり多くなく、ごみ処理用袋が大きすぎてもったいないような気がしました。燃やさないごみ(金属類等)の収集は月2回でしたが、レジ袋で十分処理できる量しか溜まりませんでした。レジ袋は買い物した時にただでもらえるので、節約のためにもごみ処理にはレジ袋を利用していました。わざわざごみ袋を買いませんでした。

台湾の一般ごみは有料ごみ袋に入れて処理します。有料ごみ袋は近くのコンビニなどで購入します。この袋にごみ処理料が課金されているので、収集してもらうにはこの専用ごみ袋を使わなくてはいけないルールになっています。日本にも台湾と同じ課金方法でごみ処理をしている地域があると聞いたことがあります。

台湾のリサイクルの現状

台湾では2006年から生ごみ、一般ごみ、資源ごみの3分別排出制度がスタートしました。

この制度は留学時代に経験した日本のルールに比べてびっくりする程簡単です。台湾では消費者の利便性を考えて3分別のシンプルな排出制度にしているのかもしれません。でもこんなに簡単な制度で大丈夫なのでしょうか?収集された一般ごみや資源ごみがきちんと処理されているのか、何だか心配になってきたので、ネットで少し調べてみることにしますね。 調べたことをまとめて皆さんにお伝えしたいと思います!

パソコンでリサイクルについて調べているジャーヘン
パソコンでリサイクルについて調べているジャーヘン


◆台湾では古紙やリサイクルマークの付いている容器包装材は全て一緒に収集しているため市民の負担は軽いですが、収集後ごみ処理施設でしっかり種類ごとに分別されてリサイクルがおこなわれているようです。調べてみて安心しました!
リサイクル対象品

◆台湾の学校や寺院ではボランティア の人達が定期的に資源ごみの分別をおこなっています。種類ごとに分別された資源ごみは、リサイクル事業者が引取りに来ます。資源ごみの分別をおこなった団体には、行政から報奨金が支給されるそうですよ。

◆一般ごみは焼却施設で焼却処分されていますが、ほとんどの施設で焼却熱を利用して発電 をおこなっています。つまり、一般ごみもエネルギーとして回収されている訳です。
資源小国台湾では全ての都市を「都市鉱山」と考え、資源回収を積極的におこなって有効利用しています。廃プラスチックを溶かして原料としてもう一度使うマテリアルリサイクルはもちろん、ごみ焼却熱を利用する等エネルギーとして回収するサーマルリサイクルにも力を入れています。

◆また、生ごみも資源と考え、家畜の餌や堆肥として利用しています。ごみ収集車に専用バケツを置いて生ごみを収集します。週5日収集してもらえるからか家庭内で生ごみが溢れかえることがないので、我が家でも負担なく分別できているんですよ。

◆3分別排出制度(一般ごみ・生ごみ・資源ごみ)がスタートしてから、私の住む新北市では一般ごみの処理に有料の専用ごみ袋が使われています。(ネットで)調べてみると有料ごみ袋でごみ処理料を課金している地域は、新北市の他に台北市で、その他の県市では、水道使用料金にごみ処理料を上乗せして徴収していることがわかりました。新北市の有料ごみ袋には7つものサイズがあります。母は有料ごみ袋は多少なりとも家計に響くと言っています。林家では新しいルールでごみを分別し、積極的にリサイクルするようになってから、一般ごみとして捨てるものの量が段々減ってきたと母から聞きました。そのため最初は大きいサイズのごみ袋を使っていましたが、今では大きいサイズはほとんど使わなくなっているんだそうです。

台湾の3分別排出制度ポスター
台湾 行政院環境保護署:
http://ivy1.epa.gov.tw/3ok/download.htm

◆3分別排出制度導入当初、市民は新しいごみ出しのルールに多少混乱したようですが、新ルールについて勉強をした結果、ルールへの理解が進み積極的にリサイクルをおこなう人が増えたということを取り上げているネット情報も多くあります。今では多くの人が資源の再利用や地球環境のために、そして将来を担う子ども達のために頑張ってリサイクルを続けていくことの重要性を認識し、実行しているそうです。



ネットで色々調べているうちに、リサイクルはとても大切なことなんだなぁと実感しました。私はペットボトル飲料をよく飲むので、リサイクルの中でも私の生活と一番関係の深いプラスチックのリサイクルについてもっと詳しく調べてみようと思います。次回はみなさんにプラスチックのリサイクルについてわかりやすくお伝えできるように勉強してみますね。では次回のご報告を楽しみに待っていてくださいね〜!

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