環境学習支援サイトで提供するプログラムを「小学校の理科教育で活用したい」という中央区の小学校理科研修会の申し出により、2007年1月16日に中央区教育センターにて16名の教師が参加して研修会を実施しました。
理科研修ということで、当日は4つの実験プログラムを実施しました。
最初は、リモネンによる発泡スチロールの溶融と再発泡実験です。
柑橘類の皮から抽出されるオレンジオイル「リモネン」を使って発泡スチロールを溶融し再生ポリスチレンペレットを製造するというリサイクル方法は、(株)ソニーが電気製品の緩衝材として使われている発泡スチロールのリサイクルシステムとして開発したものです。
研修では、リモネンが入ったビーカーに細かくちぎった発泡スチロールを入れ、割り箸でかき混ぜながら溶かすという実験を行いました。ほとんどの教師が初めての経験のため、発泡スチロールがあっという間に溶けていくのを見て大変びっくりしていました。
次に、リモネンから溶けたスチロール(スチロール=ポリスチレン樹脂 溶けると空気が抜けるので発泡スチロールではなくなる)を回収する実験です。工場では、加熱してリモネンを飛ばし(リモネンは冷却回収して再利用)、ポリスチレン樹脂を回収しますが、実験ではヘキサンを用いて回収します。ポリスチレンが溶け込んでいるリモネンにヘキサンを入れながらかき混ぜると、白濁したゲル状の固まりができはじめます。実際のリサイクル工程では、リモネンが完全に飛ぶため、カチカチのポリスチレンができるのですが、実験ではリモネンやヘキサンが混じったゲル状のポリスチレンしか回収できません。しかし、容積が50分の1になったポリスチレンを見て、発泡スチロールが大量の空気を含んだプラスチック製品であることは実感できたようです(発泡スチロールは2%のポリスチレンと98%の空気からできている)。
最後は、再発泡です。工場では、ブタンを注入したビーズ状のポリスチレンを型の中に入れ加熱発泡させるのですが、実験では沸騰したお湯を使いました。
また、ブタンを注入することもできないので、発泡スチロールにアセトンを混ぜて溶かしたものを小さな粒状に手で丸めたものを使いました。それでも。小さな粒をお湯の中に入れるとプクッと膨らみ、発泡スチロールの製造工程を体感することができます。
食品トレイを初め、発泡スチロール製品のリサイクルの多くは、加熱溶融をしています。
実験では、ポリスチレンカップ(発泡していないが発泡スチロールと材料は同じ)を用いました。デパートなどの試飲コーナーでよく使われている小さなカップです。
カップに絵を描き、それをオーブントースターで加熱すると、立体だったカップがみるみる平べったくなっていきます。それを、厚手の本に挟み固めます。描いた模様が平面化し、ちょっと不思議な模様になった円形の板に穴を空け、金具を取り付けると可愛らしいキーホルダーになります。
次の実験は、ペットボトルを繊維にするプロセスの一部である「糸づくり」の工程を体感するものです。350_gのアルミ缶の下部にだるま画鋲でプチプチといっぱい穴を空けます。縦に金属棒を通し、その金属棒とモーターをつないで実験器具は完成です。
糸の出るところを見やすくするように、内側に黒紙を貼った段ボールを用意し、真ん中にアルコールランプを置きます。空き缶にはペットボトルをフレーク状に細かく切ったものを入れ、アルコールランプで下から加熱します。モーターで回転させながら1・2分経つと遠心力の作用で糸が次々に飛び出てきます。
最後に、容器包装リサイクル法で定められたその他プラスチック(お菓子の袋などペットボトルや白色トレイを除いたさまざまなプラスチック製容器・包装材)の選別実験を行う予定でしたが、時間がないため実験模様を画像で説明しました。
プラスチック製の容器・包装材にはさまざまなプラスチックが使われています。これらは回収されるとき、その他プラスチックとして一緒に回収されます。回収された廃プラスチックは、数センチ角に破砕されますが、さまざまなプラスチックの混合体のため、そのままでは原料になりません。そこで、工場では破砕された混合プラスチックを水流に入れ、比重差で選別しています。
比重が低いポリプロピレンやポリエチレンは水に浮きます。これを回収し、再度プラスチックの原料として活用するのです。
実際に実験を行う際には、子供たちにプラスチック製容器包装材を持ってこさせ、それをはさみで小さく切ります。細かくした混合プラスチックを水の中に入れ、かき混ぜると浮くものと沈むものに分かれます。

その他プラスチックの選別リサイクルフロー
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一回の研修でさまざまな実験を行ったため詰め込みすぎの感はありましたが、多くの教師が授業で是非活用してみたいと言われました。
プラスチック処理促進協会では、実験をやってみたいという先生に学校では手に入れにくい材料(リモネン、プラスチック原料など)を用意していましたが、ほとんどの参加者がお持ち帰りになりました。
協会としては、こうした研修を通じ、環境学習を実施される教師の皆さんを今後も応援していく予定です。