環境教育支援サイト「プラスチックとプラスチックリサイクル」を使った小・中学校への出前授業は、これまで首都圏、中京圏、関西圏で行われてきましたが、今年度からは福岡県でも始まりました。
今年度は福岡市の福浜小学校、北九州市の青山小学校、筒井小学校の3校で出前授業を実施するとともに、福岡市環境教育研究会主催による研修にも講師を派遣し、九州地区での環境教育支援事業のスタートを切りました。
福岡県で実施した授業の対象学年は3校とも5年生で、4年生でごみの行方などについての学習が済んでいます。そこで、出前授業では、集められた廃プラスチックがどのようにリサイクルされているかを実験授業で子供たちに体感させることにしました。
行った実験は、発泡スチロールをリモネンで溶かし、それを再発泡させるという発泡スチロールのリサイクル実験と、ペットボトルから糸を作る実験の2種類です。
1時限目は実験の準備のために、ワークシートを用い、まず発泡スチロールやペットボトルのリサイクルの流れを学習しました。その中で、発泡スチロールのリサイクルプロセスの中にある薬品(リモネン)で溶かす工程、ペットボトルのリサイクル工程の中の「糸を作る」工程を「2時限目に、皆さんに実際にやってもらいます」と発表したところ、子供たちから「わぁっ」というどよめきが起こりました。
子供たちの期待感が高まったところで、2時間目の実験授業に移り、4人1班のグループでリモネンによる溶融実験などを実施しました。リモネンが入ったビーカーに、ちぎった発泡スチロールを次々に入れ、軽くかき混ぜるとあっという間に溶けてしまう光景に、子供たちばかりか教師もびっくりしていました。
さらに、溶けて空気が抜けたもの(スチレン樹脂)に発泡剤(アセトン)を加え、沸騰したお湯の中に入れて再発泡させる実験でも、子供たちの歓声が上がりました。
また、ペットボトルを糸にする実験は、ペットボトルの小片を入れたアルミ缶を下からアルコールランプで熱しながらモーターで回転させるため、小学生には危険なことから見るだけにしましたが、それでも缶の下部に空けられた小さな穴から糸が出てくる光景には驚きの声が上がりました。
最後は、ワークシート「自分たちができることを考えよう」を用い、3Rを進めるために自分ができることを考えさせました。発泡スチロールやペットボトルのリサイクル実験の余韻が残っているため、「飲み終わったペットボトルは回収ボックスに入れ、リサイクルに回す」などの答が次々に返ってきました。
授業開始のご挨拶。
当協会のメンバーに加え、ご協力いただいた大山良子先生、三菱化学黒崎事業所の皆さん
発泡スチロールがみるみる溶けていく
リモネンは柑橘類の皮からとれるオイル。本当かどうかをレモンの皮で確かめる実験。
レモンの皮を絞りながら発泡スチロールにこすりつけると、少しずつだがやっぱり溶ける。
スチレン樹脂に発泡剤のアセトンを混ぜ、沸騰したお湯の中に入れると、「ぷくっ」と膨らむ
ペットボトルの小片を入れた缶を、アルコールランプで熱しながらモーターで回す
缶の下部に空けられた穴から出てきた綿状の糸
北九州市の青山小学校と筒井小学校は、(社)プラスチック処理促進協会の会員である三菱化学黒崎事業所の近くの学校です。三菱化学黒崎事業所では、地域社会貢献活動の一環として、従来より地域の学校の授業に協力していましたが、今回は当協会のプログラムを活用した初の協働事業として実施しました。
なお、福岡県で実施した出前授業・研修には、福岡市や北九州市で長い間教師をなさっておられた大山良子先生にご協力いただきました。
大山良子先生は、福岡市環境教育研究会の運営にも深く関わった方で、校長を退任されてからもさまざまな形で環境教育に携わっております。