2008.08.16

2004年8月掲載 廃家電処理の埋め立て処分量0.1%を達成 日立系の東京エコリサイクル

2004年8月掲載 廃家電処理の埋め立て処分量0.1%を達成 日立系の東京エコリサイクル

廃家電処理の埋め立て処分量0.1%を達成 日立系の東京エコリサイクル

工場内作業風景

2001年3月に若洲工場が竣工した東京都江東区の廃家電処理会社、東京エコリサイクル株式会社(馬場研二社長)は、2002年度実績で、廃家電の埋め立て処分量を0.1%とし、廃家電処理工場で初のごみゼロを達成したと発表しています。

同社は日立グループが51%出資の会社で、2002年の処理量は1万2000トン。そのうち、冷媒フロン・塩水の焼却廃棄1.9%を除き、鉄、アルミ、プラスチック、銅などは再資源化物として98%を回収、埋め立て処分に回す廃棄物は0.1%でした。

 

プラスチック類は、マテリアルリサイクルの実行、溶融後スラグ化して路盤材に利用、焼却灰のセメント原料化しています。同社桑原崇行・管理部企画課長は、「廃家電の処理というと、破砕機で粉々にするイメージが強いと思いますが、わが社は工場の敷地の3分の2を手分解の作業スペースに充て、徹底した手分解作業を行っています。また、再資源化できるものはすべて再資源化する方針で、逆に言うとそういう企業としか取引しないので、埋め立て処分量を0.1%以下にできるのです」と話しています。

 

詳細問合せ先 http://www.tokyo-eco.co.jp/

家庭用洗剤のコンパクト化、詰め替え使用で プラスチック使用量を5年で20%削減

日本石鹸洗剤工業会の環境委員会(委員長=大池弘一日本油脂代表取締役)は、会員企業14社を対象に、1995年から2001年までの5年間の家庭用洗剤のプラスチック容器の使用量を取りまとめ、その結果を5月末、2002年版環境年報に公表しました。

 

対象となったのは、ボディ用洗剤、シャンプー、リンス、洗濯用液体洗剤、柔軟仕上げ剤、台所用洗剤など8品目。調査によると、容器包装用プラスチック使用量は、96年と比べ21%減の6万1000トンとなったことがわかりました。その要因は二つあり、洗剤のコンパクト化(濃縮化)と詰め替え用タイプの普及。5年間の出荷分が従来のボトルだけだった場合を想定するとプラスチック容器は12万トンになるところ、実際は6万トン余りですから、プラスチック使用量を50%抑制、ごみの排出量も大きく抑制したことになります。この調査結果は、業界の努力とあいまって、プラスチック容器のリユース、リデュースが広く消費者に定着してきたことを表しているといえるでしょう。

 

詳しくは日本石鹸洗剤工業会HPを参照。

冷媒フロンのケミカルリサイクル技術を 三菱電機と旭硝子が開発

家電リサイクル法ではエアコンと冷蔵庫の冷媒フロンの回収・破壊がメーカーと輸入業者に義務づけられていますが、三菱電機は使用済みエアコンから回収した冷媒フロンを回収して再資源化する事業を始めました。

 

この事業は、2002年度のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の循環型社会構築促進(3R)技術開発として採択され、平成13年度の一年間、三菱電機と旭硝子とが共同で実証実験を行ったもので、指定フロン(R22)を高純度で回収し、それを精製してフッ素樹脂原料として使用するというケミカルリサイクル技術です。
指定フロンR22は特定フロンと比べオゾン層の破壊への影響は20分の1ですが、破壊・無害化するには燃やさなければならず、地球温暖化に影響が出ます。

 

一方、指定フロンR22はフライパンの焦げ付き防止などの日用品や家電製品などに広く使われているフッ素樹脂の原料でもあり、三菱電機と旭硝子は回収フロンをフッ素樹脂塗料などに再利用できるのでは、と取り組んだわけです。今後、三菱電機と旭硝子は他のメーカーのリサイクルプラントからの冷媒フロンも回収して、再資源化を進める予定です。

 

関連HP 三菱電機株式会社

西友が2004年から企業内環境税 「ECO TAX」を導入すると発表

大手スーパーの西友グループは、環境負荷の軽減と環境保全に貢献する新しい取り組みとして、2004年から企業内環境税制度「ECO TAX」を導入すると、6月25日に発表しました。企業内環境税というのは、各店舗で電気・ガスなどのエネルギー使用量、廃棄物発生量などのデータをCO発生量に換算(1トン当たり5000円と換算)して課税し、環境活動への貢献を控除対象として差し引いた額を徴収するという仕組みです。控除対象としては店頭でのペットボトルの回収などのリサイクル活動、環境配慮商品の販売や環境学習会の開催などがあげられています。

 

西友ではこの取り組みを2002年から計画し、2003年から全店でシミュレーション運用して仕組みを作り上げました。2004年からは、店舗経費の一項目として正式に「ECO TAX」が計上されます。これによって徴収される「ECO TAX」は、年間17億円に上ると想定されますが、徴収した「税金」の一部は省エネ診断の実施や環境負荷を少なくするための設備投資への使用を計画しています。

 

西友広報室によると、シミュレーション段階から、各店舗が競い合って効果を出そうと工夫しているそうです。とくに、各店が地域の小学生を対象に開催している環境学習会「エコ・ニコ学習会」の開催回数が増え、参加者数も2001年の3500人から昨年は12500人に大幅に増えたそうです。

 

詳細は、西友ホームページ・西友の環境活動

イベント会場へのリユースカップの導入、 大分ビッグサイトを皮切りに徐々に進む

イベント限定カップ
イベント会場受付付近

お祭り、スポーツ観戦と、何かとイベントの多い夏。祭りの後のゴミは主催者の悩みの種だが、会場で販売するビールやジュースなどの容器を使い捨ての紙コップからプラスチックのリユースカップに切り替えて、ごみの量を減らす取り組みが始まっています。

リユースカップの導入を奨めているのは「財団法人 地球・人間環境フォーラム」で、同財団は環境省の支援のもと、「リユースカップ検討委員会」を発足し、2003年3月からの大分スポーツ公園総合競技場(通称・ビッグアイ)で実証事業を行いました。ビッグアイではJリーグの試合も行われ、一日1万人以上の観客が来場しましたが、預かり金100円を代金に上乗せしてジュースやビールを販売し、カップ回収所で100円を返金するデポジット制を導入したところ、回収率はいずれも80%以上を達成。ここで使われたカップはヨーロッパから輸入されたポリプロピレン製で、20回の使用に耐えられるといいます。

 

同財団の平野喬専務理事はリユースカップの定着の見通しについて、次のように話しています。「日本全国に広げるためには、企業、自治体、チーム、サポーターなど利害関係者の協力が欠かせません。単独の企業の取り組みではビジネスとして成立させるためにかなり時間がかかってしまいますが、大局的には国の循環社会形成推進基本計画の中でも、このようなリユースの必要性が強調されており、時代の流れといえます」。また、大分サッカー場では、若いサポーターの多くが、「リユースカップは当然」「使い捨ての時代じゃない」と話しており、社会に受け入れる素地ができつつあると実感したそうです。今後は京都の祇園まつり、夏の大阪のロックコンサート、秋の渋谷の音楽イベントなどでの利用が検討されているそうです。

 

詳細問合せ先 財団法人 地球・人間環境フォーラム

自動車リサイクル法施行を控え、日産、トヨタが リサイクル計画策定

2004年からの施行が見込まれる自動車リサイクル法は、廃車から部品を回収してリサイクルもしくは適正に処分することを自動車メーカーや輸入業者に義務付ける法律です。エアコンに使われるフロン、車体を粉砕した後に残る破砕くず(シュレッダーダスト)、エアバッグが対象となります。施行に先立ち自動車メーカーは、法基準を上回る体制をめざして、独自に計画を作り取り組みを進めています。

 

日産自動車は、2005年までに新型車のリサイクル可能率を95%にすることを目標とする計画です。同社は、リユース部品の全国供給網を作り、材料リサイクルも進めていますが、本年秋からは日本で初めてシュレッダーダストを自社工場(横須賀市の追浜工場)内で再資源化(熱エネルギー化ほか)すると発表しました。再資源化は既存の焼却炉を改造して焼却炉で燃やし発生する蒸気を空調や車両塗装用の熱源として利用するという方法です。
一方、トヨタ自動車はこのほど「トヨタ リサイクルビジョン」を策定しました。これによると、同社は自動車リシュレッダーダストのリサイクル技術を開発、実用化を進め、リサイクル率を2005年度30%、2010年度50%、2015年度70%にするという目標を掲げました。また、2015年度までにプラスチック樹脂部品の20%を再生使用することなどを計画しています。

 

関連HP:日産自動車
関連HP:トヨタ自動車

老朽化して解体する都営団地の塩ビ建材を、 ガス化溶融。東京都と塩ビ工業・環境協会(VEC)、 住友金属工業が共同実験。

東京都は「都営住宅等ストック総合活用計画」に基づき、住宅リサイクルの推進と建設廃棄物の減量を掲げ、昨年から葛飾区新宿(にいじゅく)六丁目団地の解体工事において、モデルプロジェクトを実施しています。この度策定され東京都の「住宅建設リサイクルマニュアル《解体工事編》」(東京都住宅局)では塩ビ廃材のマテリアルリサイクルばかりでなく、ケミカルリサイクルも重要な役割を果たしています。

 

塩ビ工業・環境協会(VEC)と住友金属工業(株)は東京都と共同で、同プロジェクトの解体工事から発生した使用済み塩ビ建材のフィードストックリサイクル(ケミカルリサイクル)の共同実験を行いました。これは、東京都から提供された塩ビ建材をガス化溶融して、生成ガスを化学原料として再利用し、焼却残さ(スラグ)の発生を大幅に減らすというものです。実験では、塩ビ管や継手、塩ビ使用の壁紙などの塩ビ廃材2.3トンのうち主要部分をマテリアルリサイクルし、汚れがひどくマテリアルリサイクルに回せない塩ビ建材600kgがサンプルとして用いられ、詳細な分析の結果、技術的にも環境面でも問題がないことがわかりました。この度策定された東京都の「住宅建設リサイクルマニュアル」では塩ビ廃材のマテリアルリサイクルばかりでなく、ケミカルリサイクルも重要な役割を果たしています。

 

詳細:塩ビ工業・環境協会(VEC)